以前T子は妻子持ちの男性に
恋をしたと言った事があった。
その人は子供達の未来のことも
ちゃんと一緒に考えようと…すなわち
子持ちでもいいから一緒になろうと
話していると。
でも不倫男の常套句とも私はとらえた。
現状妻子持ち。
恋愛感情を持ったところで
誰も幸せにならなくない？
と私が否定的な事を言ったからだろうか
あまりその話しはしなかったけど
一緒に出掛けている時に
｢彼と住むようになったら
冷蔵庫を大きいのにしないと｣とぼそっと
言ってみたり…
男物の服や食器なんかを眺めたりしていた。
その男こそがA男だったらしい。
T子はフラフラとネットで出会った
男達と会ったりしていたようだけど
どうやらA男だけは本命だったらしい。
U子と話して、事実がわかった。
私は多数の男性の事は知らなかったけど…
警察署では、T子、A男、U子と私と
3部屋に別れて話を聴かれたけど
U子と私は名前や住所を聴かれた位で
少し待つように言われた。
その時にそんな話をU子としていた。
2時間近く経った頃だろうか
刑事さんがやってきた。
｢ちょっとね。話が色々違うみたい。
A男さんと話してもらっていいですか？｣と。
そう言ってA男を連れて来ると
刑事さんは部屋を出ていってしまった。
A男は焦った表情で私たちに言った。
｢彼女の名前は何て言うんですか？
教えてください！！｣
40は過ぎているであろうA男は
もう泣きそうな顔をしている…
？？？？？？
どういうこと？
U子と私は顔を見合わせた。
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